憲法草案について

作成者:桐山洋平
公開日:2017年(平成29年)10月1日

章立て

全文

第1章 国家の原則

第1条〔生命の尊重〕
生きとし生けるものは、尊重される。

 

第2条〔天皇〕
天皇は、日本国の連続性と日本国民の統合を表す日本の柱である。

 

第3条〔国民主権と公議〕
国民主権に基づき、国民は公議を通して日本国を治める。

 

第4条〔個人の尊重〕
すべての人は、良心を持って生まれる。すべての人は比類なき存在であり、個人として尊重される。

 

第5条〔道理と自由〕
すべての国民には、この憲法が定める道理と自由が保障される。

 

第6条〔法の下の平等〕
何人も法の下に平等である。

 

第7条〔平和研究と平和教育〕
人類が希望する世界平和の実現に向けて、すべての国民は、平和研究を積み重ね、平和教育を受ける義務を負う。

 

第8条〔国家の役割〕
政府は、公平性の実現を目指さなければならない。

 

第9条〔経済活動の自由〕
経済活動の自由は、保障される。

 

第10条〔精神活動の自由〕
精神活動の自由は、保障される。

 

第11条〔三権の帰属〕
1. 立法の権限は、国会に属する。国会は、国民の最高の代表機関である。
2. 行政の権限は、内閣に属する。内閣は、国会に責任を負う。
3. 司法の権限は、裁判所に属する。裁判所は、独立した機関である。

 

第12条〔子どもの保護〕
すべての子どもは、社会全体の宝であり、子どもが健全に発育する機会は、国が保障する。

 

第13条〔法の有効期限〕
すべての法には、有効期限が存在する。有効期限を迎えた法は、その効力を失う。

 

第14条〔減価通貨〕
政府が発行する通貨は、特定の期間の経過によって、その価値が減価する。

 

第15条〔水と食料とエネルギーの自給〕
政府は、水と食料とエネルギーの国内における自給を高める努力をしなければならない。

 

第16条〔治山治水〕
政府は、流域に基づいた治山治水によって国土を保全しなければならない。

 

第17条〔国際法の遵守〕
政府は、世界的に確立した国際法と国際慣習を遵守しなければならない。

 

第2章 天皇

第18条〔皇位継承〕
皇位は、皇室典範に応じて、継承する。

 

第19条〔天皇の国事行為〕
天皇は、憲法が定める以下の国事行為を行う。
– 国会の指名に基づき、内閣総理大臣を任命する。
– 衆議院の指名に基づき、衆議院議長を任命する。
– 国会の指名に基づき、最高裁判所長官を任命する。
– 栄典を授与する。

 

第20条〔皇室典範の改正〕
皇室典範は、皇室会議を通して、改正する。

 

第3章 安全保障

第21条〔戦争放棄〕
日本国民は、侵略戦争を永久に放棄する。

 

第22条〔防衛軍〕
政府は、国家の独立のために、防衛軍を組織することができる。

 

第23条〔防衛軍の最高指揮の権限〕
防衛軍の最高指揮の権限は、内閣総理大臣が有する。

 

第4章 自由および道理

第24条〔道理の原則〕
道理とは、天地自然の法則であり、各人の生を全うするために存在する。国民は、道理を濫用することは許されず、公共の福祉のために用いる責任を負う。

 

第25条〔公用語〕
公用語は、日本語とする。

 

第26条〔国籍〕
日本国民の要件は、法律で定める。

 

第27条〔差別の禁止〕
すべての人は、人種、民族、皮膚の色、信条、性、言語、宗教、国籍、年齢、財産、社会的身分、身体的特徴、その他いかなる理由による差別を受けない。

 

第28条〔思想・良心・宗教の自由〕
思想、良心および宗教の自由を侵してはならない。

 

第29条〔表現の自由〕
すべての人は、表現の自由を持つ。

 

第30条〔集会・結社の自由〕
すべての人は、集会および結社の自由を持つ。

 

第31条〔財産を持つ道理〕
すべての人には、財産を所有する道理がある。何人も、合法的な根拠なくして、財産を奪われない。

 

第32条〔学問の自由〕
学問の自由は、保障される。

 

第33条〔居住・移転の自由〕
すべての人は、居住および移転の自由を持つ。

 

第34条〔国籍を持つ道理〕
すべての人には、国籍を持つ道理がある。何人も国籍の変更および離脱の自由を奪われない。

 

第35条〔奴隷・苦役・強制労働の禁止〕
何人も、奴隷にされ、また意に反する苦役および強制労働に服することはない。奴隷制度および奴隷売買は、いかなる形においても禁止する。

 

第36条〔通信の自由〕
何人も、通信に対して、不当に干渉されない。

 

第37条〔基本所得〕
すべての国民には、尊厳と社会参加のために、基本所得を受け取る道理がある。

 

第38条〔教育を受ける道理〕
すべての国民には、ひとしく教育を受ける道理がある。

 

第39条〔労働の道理〕
すべての国民には、労働する道理がある。 賃金、就業時間、休息その他の労働条件に関する基準は、法律で定める。

 

第40条〔婚姻と家庭の道理〕
1. 成年の男女には、いかなる制限を受けることなく婚姻し、家庭を築く道理がある。
2. 婚姻は、両当事者の合意によってのみ成立する。

 

第41条〔選挙の道理〕
すべての国民には、法律の定めるところにより、公務員を選挙する道理がある。すべての選挙における投票の秘密は、犯されない。

 

第42条〔公務員罷免の道理〕
すべての国民には、法律の定めるところにより、公務員を罷免する道理がある。

 

第43条〔公務に着く道理〕
すべての国民には、 法律の定めるところにより、公務に着く道理がある。

 

第44条〔公的賠償請求の道理〕
すべての人には、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、公的機関に賠償を求める道理がある。

 

第45条〔適正手続の保障〕
何人も、法律の定める手続がなければ、その生命や自由を奪われ、刑罰を受けない。

 

第46条〔裁判を受ける道理〕
すべての人には、公平な裁判所における公開裁判を受ける道理がある。

 

第47条〔令状主義〕
何人も、裁判所が発行した令状なくしては、逮捕されない。ただし、現行犯として逮捕される場合は除外される。

 

第48条〔推定無罪の道理〕
何人も、犯罪の訴追を受けた場合に、自己の正当な弁護が保証された公開裁判において、法律による有罪判決が出されるまで、無罪と推定される。

 

第49条〔証人審問と証人喚問の道理〕
被告人には、自己に不利益な証人に審問する道理、および自己に有利な証人の喚問を請求する道理がある。

 

第50条〔弁護人依頼の道理〕
被告人は、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人自らが弁護人を依頼できない場合は、国が公費で弁護人を依頼する。

 

第51条〔黙秘の道理〕
何人も、自己に不利益な供述を強要されない。

 

第52条〔自白の原則〕
何人も、不当な自白を根拠とし、有罪とされない。

 

第53条〔拷問・残虐刑の禁止〕
何人も、拷問、残虐または非人道的な取り扱いや刑罰を受けることはない。

 

第54条〔刑事補償請求の道理〕
すべての人には、抑留または拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国に補償を求める道理がある。

 

第5章 国会

第55条〔国会の役割〕
1. 国会は、内閣総理大臣を指名する。
2. 国会は、法律および予算を議決する。
3. 国会は、国政を監査する。

 

第56条〔一院制〕
国会は、衆議院の一院で構成される。

 

第57条〔衆議院の構成〕
1. 衆議院は、直接選挙された議員で組織される。
2. 衆議院の定数および衆議院の選挙は、法律で定める。

 

第58条〔議事の表決〕
1. 衆議院は、総議員の1/3以上の出席がなければ議事を開き、議決することができない。
2. 衆議院の議事は、この憲法が特別に定める場合を除いて、出席議員で決し、可否同数の場合は、議長が決定する。

 

第59条〔通常会期〕
通常国会は、毎年1回召集される。

 

第60条〔臨時会期〕
臨時国会は、内閣または衆議院の総議員の1/4以上の要求により、召集される。

 

第61条〔議院の解散〕
衆議院が解散されたとき、解散の日から40日以内に、議員の選挙を行い、選挙の日から30日以内に、特別国会を召集されなければならない。

 

第62条〔法律の議決〕
法律案は、衆議院で出席議員の過半数により可決したときに、法律となる。

 

第63条〔予算の議決〕
予算案は、衆議院で出席議員の過半数により可決したときに、予算となる。

 

第64条〔条約の承認〕
条約は、衆議院で出席議員の過半数により可決したときに、国会により承認される。

 

第65条〔議員の資格〕
すべての議員は、国民の代表として、高い倫理観と優れた見識を持ち、国民の生命と財産を保護し、公共のために尽力しなければならない。

 

第66条〔議員の国籍〕
すべての議員は、日本国籍を保持する必要がある。他国籍を持っている場合は、放棄しなければならない。

 

第67条〔議員の任期〕
議員の任期は、4年とする。ただし、衆議院が解散された場合は、その時点で終了する。

 

第68条〔議員の不逮捕〕
衆議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中に逮捕されない。会期前に逮捕された議員は、国会の要求があるときは、保釈されなければならない。

 

第69条〔議員の免責〕
衆議院の議員は、議院での演説、討論、発言または表決に関して、逮捕および裁判されない。

 

第70条〔衆議院の独立〕
1. 衆議院は、議長その他の役員を選任できる。
2. 衆議院は、会議その他の手続きおよび内部の規律に関する規則を定めることができる。
3. 衆議院は、院内の秩序を乱した議員を懲罰することができる。ただし、議員を除名する場合には、出席議員の2/3以上の多数による議決を必要とする。

 

第71条〔議会の公開および議事録〕
1. 衆議院の会議は、公開する。
2. 衆議院は、議事録に会議内容を記録し、公表しなければならない。
3. 出席議員の2/3以上の賛成多数で、秘密会にすることができる。ただし、秘密会の議事録は50年後に公開しなければならない。

 

第72条〔大臣の説明義務〕
1. 内閣総理大臣その他の国務大臣は、議案に対する発言のために国会に出席することができる。
2. 内閣総理大臣その他の国務大臣は、国会から答弁または説明が求めれた場合は、国会に出席しなければならない。

 

第73条〔弾劾裁判所〕
1. 弾劾裁判所は、国会の下に設置され、裁判官の罷免を裁判する。
2. 裁判官の弾劾に関する事項は、法律で定める。

 

第6章 内閣

第74条〔内閣の役割〕
内閣は、法律を執行する

 

第75条〔内閣の構成〕
1. 内閣は、その首長たる内閣総理大臣およびその他の国務大臣で組織される。
2. 内閣総理大臣およびその他の国務大臣は、文民でなければならない。

 

第76条〔内閣総理大臣の任務〕
内閣総理大臣は、日本政府の代表者としての自覚を持ち、国民福利の向上、世界平和に向けて、務めなければならない。

 

第77条〔内閣総理大臣の指名〕
内閣総理大臣は、国会議員の中から国会が指名される。

 

第78条〔国務大臣の任免〕
1. 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。ただし、その過半数は、国会議員の中から任命されなければならない。
2. 内閣総理大臣は、国務大臣を罷免することができる。

 

第79条〔内閣総理大臣の職務〕
1. 内閣総理大臣は、国務大臣および行政各部を指揮監督する。
2. 内閣総理大臣は、閣議を主宰する。
3. 内閣総理大臣は、内閣を代表して、議案を国会に提出する。
4. 内閣総理大臣は、一般国務および外交関係について国会に報告する。

 

第80条〔国会への連帯責任〕
内閣は、行政の権限行使について、国会に対し連帯して責任を負う。

 

第81条〔衆議院の解散〕
内閣は、衆議院を解散することできる。

 

第82条〔閣議決定〕
内閣の方針は、閣議で決定されなければならない。

 

第83条〔法律案の提出〕
内閣は、法律案を作成して、国会に提出できる。

 

第84条〔予算案の提出の義務〕
内閣は、予算案を作成し、国会に提出しなければならない。

 

第85条〔条約の締結〕
内閣が締結した条約を発効するためには、国会の承認を経なければならない。

 

第86条〔政令の制定〕
内閣は、法律を執行するために、政令を制定する。ただし、政令には、法律の定めがない限り、罰則を設けることはできない。

 

第87条〔内閣不信任の決議〕
内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、または信任案が否決されたときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職しなければならない。

 

第88条〔内閣総理大臣の欠員〕
1. 内閣総理大臣が欠けたとき、または衆議院の総選挙後に初めて国会の召集があったとき、内閣は総辞職しなければならない。
2. 内閣総理大臣が死亡したとき、法律により定められた国務大臣が、臨時にその職務を行う。

 

第89条〔国務大臣の訴追〕
国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ訴追されない。

 

第7章 裁判所

第90条〔裁判所の役割〕
1. 裁判所は、国民の道理および自由を擁護する。
2. 裁判所は、紛争を法的に解決する。
3. 裁判所は、法秩序を維持する。

 

第91条〔裁判所の構成〕
裁判所は、最高裁判所および法律が定める下級裁判所により構成される。

 

第92条〔裁判所の独立〕
すべての裁判所は、いかなる公的機関からも事件の審査および判決に対して干渉されない。

 

第93条〔裁判官の独立〕
すべての裁判官は、独立であり、その良心に従って職権を行い、この憲法および法律にのみ拘束される。
第94条〔最高裁判所の組織〕
1. 最高裁判所は、長官および法律が定める人数の裁判官から構成される。
2. 最高裁判所の長官は、最高裁判所の特別委員会によって最高裁判所の裁判官の中から指名される。
3. 最高裁判所の裁判官は、法律が定める選挙によって選ばれ、内閣により任命される。

 

第95条〔最高裁判所の権限〕
1. 最高裁判所は、訴訟手続きその他の規則を決定する権限を有する。
2. 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を決定する権限を、下級裁判所に委任することができる。

 

第96条〔下級裁判所の組織〕
1. 下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の名簿によって指名され、内閣により任命される。
2. 下級裁判所の裁判官の任期は、10年とし、再任できる。

 

第97条〔違憲審査の権限〕
1. 最高裁判所は、内閣または国会議員の1/3以上の提訴により、法律、命令、規則または処分に対して、憲法の適合性を審査することができる。
2. 違憲判定が下された法律は、国会で再審議しなければならない。
3. 違憲判決が下された命令、規則または処分は、効力を失う。

 

第98条〔裁判の公開〕
1. 裁判の審理および判決は、公開の法廷で行う。
2. 裁判所が、裁判官の全員一致で、公共の福祉、公の秩序および善良の風俗を害すると判断した場合は、審査を非公開にすることができる。
3. 政治犯罪、出版に関する犯罪または国民の自由および道理が問題になっている事件の審査は、前項の規定から除外される。

 

第8章 財政

第99条〔財政の基本原則〕
国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて、行使しなければならない。

 

第100条〔租税〕
新たに租税を課し、また現行の租税を変更するには、法律を必要とする。

 

第101条〔国費支出および政府の債務負担〕
国費を支出し、また国が債務を負担するには、国会の議決に基づくことを必要とする。

 

第102条〔予算案〕
1. 内閣は、予算案を作成し、国会に提出し、その審議を受け、議決を経なければならない。
2. 内閣は、複数年度にわたる支出を予算案に計上することができる。

 

第103条〔予算案の決定〕
予算案を決定する権限は、内閣総理大臣が有する。

 

第104条〔予備費〕
予見し難い予算の不足に充てるため、臨時予算の組成が認められる。臨時予算は、国会の審議を受け、議決を経なければならない。

 

第105条〔公的財産の支出制限〕
公的財産を公共の福祉の増進に反する事業に対して、支出することは許されない。

 

第106条(決算および会計検査院)
1. 国の収入支出の決算は、毎年会計検査院が検査する。内閣は、次の年度に、決算および検査報告を国会に提出しなければならない。
2. 会計検査院の組織および権限は、法律で定める。

 

第107条〔財政に関する情報公開と説明責任〕
内閣は、財政に関する情報を公開し、定期的に国会および国民に対して、政府の財政状況を説明しなければならない。

 

第9章 憲法秩序の保障

第108条〔最高法規〕
この憲法は、国の最高法規である。これに反する法律、条約、命令、規則、詔勅および国務に関するすべての行為は、その効力を持たない。

 

第109条〔国政の透明性〕
1. 国民には、国政に関する情報を知る道理がある。
2. 国会、内閣、裁判所その他の公的機関は、情報を公開しなければならない。国家の機密情報は、50年後に公開しなければならない。

 

第110条〔憲法の改変の制限〕
他国の占領下または緊急事態により、国家の主権が制限されている場合には、憲法秩序を維持するために、この憲法の改変を禁じる。

 

第111条〔憲法の尊重〕
天皇、大臣、国会議員、裁判官その他すべての公務員は、この憲法を尊重する義務がある。

 

第10章 改正

第112条〔憲法改正〕
この憲法の改正は、衆議院の総議員の2/3以上の議決により、国会が国民に提案し、その承認を経なければならない。この承認は、国民投票において、有効投票の過半数以上の賛成を必要とする。